ブックタイトルフリーマガジンあばやvol.11(ルックル)

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フリーマガジンあばやvol.11(ルックル)

TANEGASHIMA FREE MAGAZINE「AVAYA!」 06取材:榎本 善行?????????????????????????????????????????????? 平坦とは言え起伏も多い種子島。ドライブがてら車を少し走らせると、小高い丘へと続く石段や鳥居をそこかしこに見かける。古い神社仏閣が多いのもこの島の特徴だ。いにしえより、暮らしそのものが自然を相手取る慣習からか、信仰心の深さや純真無垢な島民の素直さがうかがえる。 西之表市立上西小学校の袖に、紅い灯籠を両脇に抱えた荘厳な鳥居がある。それをくぐり、木漏れ日を浴びながら進んだ先に、見上げれば後ろへ引っ繰り返りそうな傾斜の、苔むした石段が天まで届けとばかりに高台の境内へそびえ行く。地域のシンボルとして親しまれ、島内では参拝客が後を絶たない最も賑わう由緒ある伊勢神社。起源は平安期の理想的な治世とされた延喜年中、藩政期には島の総鎮守とされていた。鉄筋コンクリート造りの社殿は昭和四十五(一九七〇)年に建立。老朽化に加え、美しい海岸線を眼下に捉える立地から、塩害による腐食も著しい。建て替えは積年の課題、未来へ向けて行動を起こすべきとし、再建委員会を発足したのが三年前、その委員長として奔走するのが塩崎義政氏だ。先だって、来年のサミット開催地となった『伊勢志摩』の、まだ記憶に新しい『神宮』式年遷宮。思い立ってその時の古材を求める申請をしたところ譲与が決定、新社殿の材として使う。「はずみがついた」と明るい笑顔をみせる。本業の建築業も忙しい中、上西校区長であり、地域の高齢者支援協議会会長も務める一方、小学校に山海留学している男子児童二人の里親も引き受け、昨夏の遠泳大会では伴泳もしてのける。魚釣りや、ロケット打ち上げ見学にも連れて回る朗らかで行動力に長けた気さくな五六歳。いよいよ来年一月が地鎮祭、そして十月の秋季大祭でお披露目となる。その短髪は、角刈りと言うよりスポーツ刈りの印象。ますます精力的で輝ける中年の星である。社務所横の展望台144段の石段